日本各地で強烈な爪痕を残してきたオールナイト上映イベント『変態アニメーションナイト』が、水江未来監督作品『ワンダー・フル!!』の公開を記念し、ロードショーとなって襲来!
あなたの心に突き刺さり、身体の奥底も震わせる、一生忘れられないくらいのインパクトを残す短編アニメーションを世界中から集めた夢の饗宴。「変態(メタモルフォーゼ)」というキーワードが指し示す通り、いずれの作品もその姿かたちを変容させ、視覚を通じて観客の身体感覚を強烈に刺激すると同時に、時間/空間感覚すらも歪に捻じ曲げていく。
あなたはまだ "アニメーション" の恐ろしさをしらない・・・
『ワ・タ・シ・ノ・カ・オ』
(2005年/日本/3分) 監督:黒坂圭太 13年にわたる『緑子/MIDORI-KO』の制作期間中に完成した、ドローイングアニメの怪作! ギャー! 鬼才、黒坂圭太が描き続けた顔のドローイングが、ぐにゃぐにゃとメタモルフォーゼしていく。物語的必然性を徹底的に欠いたエモーションの塊のようなデス声の雄叫びとともに、変態ナイト2014が始まる! 「もういいかい?」 |
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『北アメリカ物語』
(2007年/アメリカ/5分) 監督:キルスティン・レポー&ギャレット・デイビス 父さん、北アメリカ、ヤベエ。変なクモがいる。 寝室に大きなクモが! 父さん! 潰してよ! 深夜の息子の勝手な願いに父さん怒り爆発。軽快な歌とキモいドローイングに合わせて人間中心主義に警鐘を鳴らし、他者との共生を説くこの作品は、まさにいま、私たちの必要とする物語。 |
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『パペットボーイのお話』
(2008年/スウェーデン/19分) 監督:ヨハネス・ニホルム 北欧製ヘタウマ、ダーティ、セクシャル、クレイ、アニメーション! 汗をはじめとした粘液! とびきりの美女ユーリャが家にやってくるぞ! パペットボーイは粘土の汗を流しながら、若い女性の訪問に向けて準備する。彼女がやってきたとき、彼の緊張は最高潮。さらにはかわいい笛吹き男がパペットボーイを邪魔する……果たして彼は無事ユーリャと愛の情事(ラブ・アフェア)に成功するのか? 4章仕立てのクレイメーション・ドラマ。ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ… |
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ピーター・ミラード ミニ・レトロスペクティブ1『ホーガン』
(2011年/イギリス/1分) 世界最高峰の美術大学RCAから飛び出した世界最高峰の不定形変態アニメーション作家ピーター・ミラード。2013年夏の来日イベントは全公演満員売り切れになるほどに今や超人気! 変態の若き貴公子、待望の新作『フルーツ・フルーツ』を含む三作品が、「変態2014」でも随所に挿入。理性を解放せよ! 監督:ピーター・ミラード 世界的スーパースター、ハルク・ホーガンの一生を1分で振り返りましょう 気にしないで、きっとすべて大丈夫だから。 |
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『サニー・アフタヌーン』
(2012年/オーストリア/7分) 監督:トマス・レノルドナー 時をかけるおじさん! 人間力に溢れる名作が、圧倒的支持に応えて、再び日本上陸! 実験映画「みたいなもの」がミュージックビデオ「みたいなもの」と出会う。25年前に作った歌と20年前に撮影した映像と50歳になった現在が混ざりあう。おじさんがジャンルも時も飛び越えて、椅子に座る。窓の外を眺める。そしたら観客みんなが笑顔になる。「さあ、わらってごらん」 |
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『サブウェイ・トレイン』
(2013年/アメリカ/4分) 監督:ギャレット・デイビス 変態界の新星ギャレット・デイビス、彼の手にかかれば地下鉄はポスト黙示録後の動物讃歌 地下鉄に乗ってきたのは誰だ? ヤツらの声が聞こえるかい?独特の色調とキモ気持ちいい動きであなたも私もサブウェイ・トレインの動物。ブルックリンのデュオThe Pop Upsのミュージック・ビデオ。『北アメリカ物語』の作者が届ける北米変態譚、第二章。 エイプウホッウホ、ハチブーン。ネコニャンニャンニャン、イヌワンワン! |
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『マゴット・フィーダー』
(2013年/エストニア/16分) 監督:プリート・テンダー 不条理こそが人生だ――エストニアから届いたシベリア物語……これはおフザケ?いや、大マジだ いつみても「ふざけてるの? マジでやってるの?」という疑問を沸かせる「リトル・プリート」ことプリート・テンダーの最新作は民話もの。妊娠しない妻を、夫は殺すことにした。肉食凶暴ウジ虫の沸く石製の棺桶に突き落として……果たして、妻の運命は? シベリア最東端チュクチに伝わる民話を、ストーリーは原作に忠実に、ビジュアルは……え、なにこれ? 驚愕のラストを見逃すな。 |
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ピーター・ミラード ミニ・レトロスペクティブ2 『裸で』
(2013年/イギリス/2分) 監督:ピーター・ミラード ボクが左手で描いた絵をお見せしましょう。ヌードの女性が、太鼓にあわせて踊りますよ。 天才ピーター・ミラードが苦悩のなかで生み出した光明、それは、左手で描くこと。 |
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『歩いて歩いて』
(2003年/カナダ/11分) 監督:エイミー・ロックハート ペロペロプクプクマイへヤー……!!ああ、頭がおかしくなる!! 「歩いて歩いて」の世界へようこそ! カラフルなトリップのエンドレスパレードが左から右へ! キャッチーな歌や目ん玉キック、まぬけなキャラといろんな種類の赤ちゃんでいっぱい! たとえば「あったかベイビー」! 「ミスターベイビー」! 「かねもちベイビー」! ほかにもたくさん! さよならウェスタンマインド! ようこそ! |
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ピーター・ミラード ミニ・レトロスペクティブ3 『フルーツ・フルーツ』
(2014/イギリス/2分) 監督:ピーター・ミラード 変態ナイトの申し子ピーター・ミラード、待望の新作。今度はクレヨンだ、フルーツだ! レモン、クランベリー、アップル、バナナ、キュウリ、オレンジ、ライム。つまり、フルーツフルーツ、その精鋭。高いスキャナーを買ったことで辿り着いたトロピカルな質感溢れるピーター・ミラードの新境地! |
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『プロメテウスの庭』
(1988年/アメリカ/28分) 監督:ブルース・ビックフォード 『CAS’L’』の阿鼻叫喚を経て……無間地獄再び。変態ナイトは、やはりこの男がいなければ終われない! 人類に火を与えた存在、プロメテウス……その神話にインスパイアされて、アメリカのクレイ・アニメーション界最狂の巨匠ブルース・ビックフォードが、満を持して仕上げたこの作品……いつ終わるとも知れぬ変態(メタモルフォーゼ)地獄が観客を吞み込む……アマゾネス、海賊、ハンバーガー、ピザ、カークラッシュ、虐殺……アメリカの大衆的無意識を詰め込んだ、これもまた北アメリカ物語。 |
土居伸彰
1981年東京生まれ。アニメーション研究・評論。東京造形大学非常勤講師。日本アニメーション学会理事。アニメーションについての歴史的・理論的研究とともに、ウェブサイト「Animations Creators & Critics」やレーベル「CALF」などの活動を通じて、国内外の優れたアニメーション作品の上映企画や執筆による紹介を行なっている。海外の映画祭に向けては日本のインディペンデント作品の上映プログラマーとしても活躍(カナダ、ポーランド、メキシコ、インド、ロシア等)。ファントーシュ国際アニメーション映画祭ほかで審査員の経験も多数。雑誌『neoneo』や『ユリイカ』などへの寄稿のほか、共著に『アニメーションの映画学』(臨川書店)、『「戦後」日本映画論』(青弓社)、訳書にクリス・ロビンソン『ライアン・ラーキン やせっぽちのバラード』(太郎次郎社エディタス)などがある。
2012年、真夏の夜のワンナイトイベントとして始まり、その後、オールナイト上映イベントにまで発展。日本各地で開催され大好評を博してきた伝説のイベント『変態アニメーションナイト』。新進気鋭のアニメーション評論家・土居伸彰が、日本では紹介されてこなかった衝撃的な内容の短編アニメーションを世界中から集め、映画『ワンダー・フル!!』監督の水江未来(アニメーション作家)との解説トーク付き上映が行われてきた。イベントは回を追うに従って上映作品を含むイベント構成もメタモルフォーゼしている。
変態アニメーションナイト
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変態アニメーションオールナイト@京都みなみ会館
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変態アニメーションオールナイト@吉祥寺バウスシアター
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変態アニメーションオールナイト@山口情報芸術センター(YCAM)
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変態アニメーションナイト@札幌
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